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TRC日記

ジュニア陸上チームTRCの活動日記  

箱根駅伝2019に思う

箱根駅伝が往路、復路、総合全て異なる学校が優勝、しかも全て新記録という珍しい結果になった。10区間で争い、各区間が20km前後の距離という長い戦いなので、普通に考えると、どこかの区間で想定外の不調者が出るとなかなか挽回できない大きなビハインドを受けてしまう。それだけ特殊な条件のレースなので今までなかったのが不思議と言えば不思議なのだが。その特殊性は?


まず、10区間の選手を揃える事自体、簡単ではない。実際、箱根駅伝の予選会に出場する資格として10人以上、標準タイムをクリアしなければならない。駅伝部のない、普通の陸上競技部で活動している大学がこの条件をクリアするのは相当ハードルが高い。標準記録が厳しすぎるわけではない、そもそもの数が揃わないのだ。一部の大学など中距離は当たり前、その他の種目の選手も含めてクリアを目指すこともある。だから、全国の長距離志望の有力選手が駅伝部のある関東の大学に集中する。これは、実は陸上界において埋もれた逸材を埋れさせ、底辺拡大の阻害要因になるという事態を招いている。


次に一極集中した更に強豪校では、補欠が多数発生する。実は補欠の存在は日本の学生スポーツの悪しき特徴なのである。例えば、青山学院などは本戦を走れないBチームやCチームを編成して戦っても、シード権争いの戦いぐらいはできるのでは?という力は持っているのに埋れてしまう選手が多数発生してしまう。更に悪いのは、飛び抜けたエース格でもない限り故障した場合、レギュラーの資格を失い、出場できなくなる。内部のレギュラー争いだから仕方がない?と簡単には言えない。故障した場合、普通は完治を優先するのが選手ファースト、だが完治させる期間で出番が失われ、学生在籍期間の極めて短い時間の中で挽回が難しくなる。それ故、無理をする、故障を隠す、痛くないと言い切る・・・、数多くそうやって苦しんできた選手を見てきた。故障を惜しんで戦う、それは美徳でも何でも無い。単なるチームの勝手な都合、指導者のエゴでありアスリートファーストではありえない。


大東文化大学の1区新井康平選手がスタート直後に転倒しながら襷をつないだ。感動や美談的に囃し立てる風潮があるが、絶対に違う。私が監督だったら止めに入るかどうかの選択に悩み苦しむ。そしてあの転倒シーンの画像を見て、靴の裏が上を向くほど足首が捻れていることを確認した時点で間違いなく止める。選手はやると言うかもしれないが、止めるのが当たり前。捻挫は間違いなく、その後の無理で骨折もあり得る。選手生命に関わる可能性がある。病状の情報が無いので分からないが、心配で仕方が無い。繰り返すがあれは美談ではない!


チームにとって選手は使い捨て、中・高なら3年、大学でも4年と短い期間なのでどうせ選手は使い捨て、潰れていく選手は去るだけ、その為に大勢確保して補欠を充実させるのが学生スポーツに蔓延る悪環境、それを更に助長する方向に箱根駅伝はあると言わざるを得ない。


競技は人間がやる事であり、その日の調子の変動は、走ってみないと分からないことも多い。10区間もあれば、そのどこかでブレーキが発生するのが当たり前。そのブレーキを前提とした挽回できる高いレベルでの選手層の厚さを備えたチームが優勝するのが箱根。だから宣伝効果で集まった選手層で青学が4連覇できた。それでも人間故の負のマインド面、不協和音などを選手より全面に出過ぎることで発生し、予期せぬブレーキが増加するリスクをマネジメントできていない結果が出たように感じる。何を優先し、何を大切にするのか?間違えている様に感じる。東京都高校駅伝でも、あれだけ選手を集めていながら何故負ける?と感じざるを得ない場面もあった。同様である。


プロなら、まだそれでもいいかもしれないが、学生スポーツは勉学に割くべき時間を競技に打ち込んでいる。即ち、教育の一環。教育が勉学だけとは言わない、競技を通じての人間教育は極めて重要であり、その後の人生で必ず活きる。でもそれはチーム優先でなく、学生優先、選手ファーストでなければならない。チームのために、指導者の名誉のためにではなく学生のためでなければならない。



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